なかなか見ることができない日本瓦工事の途中をお見せします。
今回ご紹介する屋根葺き替え工事中のH様宅は、国府町にあります。
建築されたのは1970年代オイルショックの頃でした。
さまざまな物資が不足していたため、当時の瓦も品質が安定しておらず、変色等が発生し今回の工事となりました。
現在の「屋根替え」工事は、美観や防水性の改善といった目的に加えて、昔の土葺きから進化した、桟木に釘ビス等で施工するようになり軽量かつ堅牢に葺くことができるので、耐震性や台風圧性を高くできます。
使用している瓦は、淡路島で400年以上も前から生産されている「淡路いぶし瓦」です。「いぶし瓦」は、釉薬をかけて焼くのではなく、焼成時、瓦表面に炭素膜をつくる「燻化(くんか)」を施すのが特徴で、その性能の高さは多くの寺院で使われていることを見ても明らかです。
職人さんは市内の中村瓦店でも超ベテラン、小川さんです。屋根の上で座る姿が馴染みすぎています。
右の写真は鬼瓦の台座ですね。
役物の瓦は1個ずつ丁寧に梱包されて送られてきます。
屋根工事専用のはしごにリフトが付いた装置で材料を上げます。
この部分は昔ながらのあら土葺きです。鬼瓦も銅線でがっちり固定されます。
鬼瓦が無事設置されました。鶴亀があしらわれていますね。
何百年も変わらない形には不偏の美しさを感じますね。